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池袋『作品の舞台』 第155回

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プランツ・ウォーク 東京道草ガイド
プランツ・ウォーク 東京道草ガイド
いとうせいこう・柳生真吾/著
● 講談社

 地球規模での温暖化とともに、都市部でヒートアイランド現象が深刻な問題となっている。
 日本一の人口密集地といわれる豊島区でも、問題解決に向けて街の緑化に向けた取り組みが近年積極的に行われている。
 緑を大切にする区民向け講習会「緑のカーテンづくり」の開催や、まちづくりフォーラムで緑化への意識の高揚をはかったり、ビル屋上の緑化活動を推進したり。街に緑地を増やそうという取り組みに区をあげて力を入れている。その結果、区内の緑地割合は近年確実に増加という調査結果も報告されている。
 こうした緑化推進の取り組みは都内全体でも増えているが、東京の街には、実はたくさんの「緑」(プランツ)があふれているのだと教えてくれる本がある。それがこの「プランツ・ウォーク 東京道草ガイド」。
 エッセイストとしても活躍中のマルチクリエーターのいとうせいこう氏と、NHK「趣味の園芸」で8年間キャスターを務めた柳生真吾氏が著者となって、東京都内のさまざまな緑のスポットを紹介している。
 明治神宮や外濠公園、上野といったおなじみの場所から、六本木や表参道、羽田といった「緑」とは縁遠そうな場所、果ては東京ディズニーランドにいたるグリーンスポットを巡りながら、東京の知られざる一面を案内している。
 豊島区からは、ソメイヨシノのルーツを辿って「駒込」を紹介。また近郊では、「石神井」のメタコセイアの森が登場。癒しの要素が十分な東京めぐりをプロデュースしてくれる。
 「われわれはいま、ソメイヨシノ誕生の地を歩いています。駅前の案内板の記録によりますと、この通りの両側にはかつて植木屋さんがいっぱいあったということです」(本文より)
 「消防団のマークがサクラです。豊島消防団第一分団本部。さすがサクラの生まれ故郷」(本文より)
 大都市の喧騒のなかに、ホッと安らぐ場所を提供してくれる、「緑」という安息の地。普段の生活のなかで、これまで何気なく見ていた植物に、あらためて目を向けてみたいと思わせてくれる一冊である。